連載第29回/プレジャーボートに合うステレオシステム
通常、自動車にはカーステレオが標準装備されています。最近の米国製輸入スモールボートにも、ステレオシステムが標準装備されているものが多く、コックピットまわりの装備は自動車に近い感覚になってきました。
ボートオーナーの方にも、お気に入りの音楽があるはずです。バラードもよし、演歌もよし。海の上で好きな音楽を聴きながら走ることができれば、クルージングの楽しさはさらに広がります。
今回は、プレジャーボートでお気に入りの音楽を楽しむために必要な、ボート向けステレオシステムについて考えてみます。
ボート用ステレオは12V仕様を基本に考える
ボートに設置するステレオシステムは、12V仕様のカーステレオを流用する方法が現実的です。価格も比較的手頃で、最低でも2万円前後から選択肢があります。
基本的に、自動車と多くのプレジャーボートのアクセサリー電源は12Vに統一されています。そのため、カーステレオや自動車用アクセサリーの多くは、条件が合えばボートでも使用できます。
電源は、メーターパネル裏側にあるアクセサリー用の予備電源を利用する方法があります。ただし、既存配線の容量、ヒューズの有無、電源の取り出し方法はボートごとに異なるため、無理な接続は避ける必要があります。
フライブリッジや屋外設置では防水対策が重要
ステレオ本体をフライブリッジや屋外に近い場所へ設置する場合は、ステレオ用スプラッシュハウジングを利用すると安心です。多少の雨、霧、しぶきから大切なステレオ機器を保護しやすくなります。
スプラッシュハウジングには、フラッシュマウントタイプ、つまり埋込型と、ジンバルマウントタイプ、つまりブラケット型があります。設置する場所やパネル形状に合わせて選択できます。
このハウジングがない場合、ステレオ本体がむき出しになる可能性があります。見た目が悪くなるだけでなく、水分や塩分の影響を受けやすくなるため、屋外設置では特に注意が必要です。
ステレオハウジングの設置場所
自動車用のフラッシュマウントタイプのステレオ収納パネルを使用する方法もあります。ただし、自動車用パネルには防水カバーがないものも多いため、ボートで使用する場合は設置場所を慎重に選ぶ必要があります。
輸入艇のスモールボートでは、運転席のメーターパネル下にフラッシュマウントタイプのステレオハウジングを設置しているタイプをよく見かけます。この位置であれば、乗用車感覚でステレオを操作でき、操船中でも音楽を楽しみやすくなります。
お気に入りの音楽を聴きながら海を疾走できる環境は、プレジャーボートならではの楽しみです。最近では、電動ポップアップ式の液晶テレビを運転席にビルトインしているユーザーもいるようです。見た目にも非常にスマートな装備です。
自動車用アクセサリーを流用する場合の注意点
自動車用アクセサリーは、12V電源で動作するものが多いため、ボートでも使用できる場合があります。しかし、自動車用製品は基本的に海水、潮風、湿気、雨、しぶきにさらされる環境を前提にしていないものが多いため、防水性と防錆対策が重要です。
防水加工されていない機器は、海上で使用すると錆びやすくなります。端子部分や金属部には、防錆潤滑剤をスプレーして保護しておくと、比較的安心して使用できます。
アクセサリー電源用のプラグソケット、いわゆるシガー電源ソケットについても、ボート用にはスプラッシュカバー付きのものが市販されています。雨やしぶきがかかりやすい場所では、こうしたカバー付きタイプを選ぶと実用的です。
配線とヒューズ容量の確認
ケーブルの太さとヒューズ容量を間違えない
ステレオやアクセサリー電源の配線自体は、それほど難しいものではありません。しかし、ケーブルの太さやヒューズ容量を間違えると、配線が熱を持ったり、ヒューズがすぐに切れたりする原因になります。
ステレオ本体、スピーカー、アクセサリー電源ソケットなどを接続する場合は、消費電流に合ったケーブルとヒューズを選ぶ必要があります。目安として、アクセサリー電源には15A以上に対応したものを使用することをおすすめします。
特に複数の機器を同じ電源ラインから取る場合は、合計消費電流を確認し、無理なタコ足配線を避けることが大切です。電装品の追加は快適性を高めますが、安全な配線が前提になります。
快適なクルージング環境をつくる
プレジャーボートにステレオシステムを設置すると、クルージング中の雰囲気は大きく変わります。防水スピーカー、スプラッシュカバー、シガー電源ソケット、適切な配線を組み合わせれば、海上でもお気に入りの音楽を楽しみやすくなります。
春の海に向けて、快適なクルージング環境を整えてみてはいかがでしょうか。あなたに春を感じさせてくれる一曲を流しながら、海へ出る楽しみがさらに広がるはずです。
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