連載第48回/ガソリンタンクについて考える
30フィート以下のプレジャーボートで使われるガソリンタンクには、主にポータブルタイプとビルトインタイプがあります。ボートのサイズ、船外機の馬力、航行距離、給油環境によって、適した燃料タンクは変わります。
特にスモールボートでは、燃料タンクの扱いやすさが航行計画や安全性に関わります。給油しやすいか、残量を確認しやすいか、船外機と接続しやすいかを考えて選ぶことが大切です。
ポータブルタイプのガソリンタンク
スモールボートや小馬力船外機に多い燃料タンク
ポータブルタンクは、赤色のプラスチック製、または赤色に塗装されたスチール製が多く、船外機60馬力以下のスモールボートでは、このタイプのガソリンタンクが標準装備されていることが多いようです。
ガソリンを給油する場合は、ボートからタンクを外して簡単に持ち運びできます。そのため、マリーナなどの海上給油スタンドがない河川や湖で使用するボートに適しています。
燃料残量を確認しやすい
ポータブルタンクの燃料計は、タンク本体に設置されているものが多く、簡単に残量を確認できます。そのため、運転席のメーターパネルと直結するような電子式抵抗感知メーターは、あまり使われていません。
また、燃料ホースのコネクターを付け替えることで、ヤマハ、ホンダ、スズキ、日産、マーキュリー、ジョンソンなど、船外機メーカーの種類を問わず接続できる場合があります。
持ち運びができるため、予備タンクとしても重宝されます。昭和後期に製造された船外機仕様のボートでは、このタイプのタンクが多く、6ガロン型がよく使用されていました。
ビルトインタイプのガソリンタンク
大容量燃料を必要とするボート向け
ビルトインタイプは、12ガロン以上の燃料を必要とするボートに搭載されることが多い燃料タンクです。材質には、FRP製、プラスチック製、ポリエチレン製、アルミ製などがあります。
また、設置する環境によって、さまざまな形状のタンクが用意されています。たとえば、重心を低くしながらデッキ面積を確保しやすいVボトムタンクや、ベイライナー、シーレイなどでエンジン前部に配置されるビローデッキタンクなどがあります。
燃料センダーとメーターパネル
ビルトインタイプの多くは、燃料センダーと呼ばれる電子式抵抗感知ユニットがタンクに装備されています。このセンダーによって、運転席のメーターパネルでガソリンの残量を確認できます。
大量の燃料を積めることは大きなメリットですが、タンクにクラックが入ったり、修理が必要になったりした場合は、作業が困難になりやすいという短所もあります。
ガロン表示とリットル換算
輸入品の燃料タンクでは、容量がUSガロンで表示されていることがあります。US1ガロンは約3.785リットルです。
たとえば、6ガロンは約22.7リットルとなります。主な規格品としては、12ガロン、18ガロン、26ガロンなどの商品があります。
ガロン表示に慣れていない場合は、リットル換算して実際の航行距離や燃料消費量と照らし合わせると、タンク容量を選びやすくなります。
ガソリンタンク選びの注意点
ガソリンタンクを選ぶときは、容量だけでなく、設置場所、材質、燃料ホースの接続方法、燃料計の有無、船外機との互換性を確認する必要があります。
ポータブルタイプは扱いやすく、予備タンクとしても便利です。一方、ビルトインタイプは大容量化しやすく、メーターパネルで残量を確認できるなど、航行距離の長いボートに向いています。
安全に航行するためには、ボートの使用環境に合った燃料タンクを選び、給油口、燃料ホース、コネクター、燃料センダーの状態も定期的に確認しておきましょう。
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