連載第43回/プレジャーボートのホーンについて
プレジャーボートには、船検上、ホーンを装備する必要があることをご存じでしょうか。水路を航行するときや、他船に注意を促す場合に活躍する、安全航行のための重要なアイテムです。
自動車にもホーンは装備されていますが、ボートでは使い方が少し異なります。自動車の場合は危険時などに注意を促すために使用しますが、プレジャーボートでは、ホーンを信号として使用することも多くあります。
毎年、横浜港などで花火観覧をしている小さなプレジャーボートが、大きな船から「疑問信号」を鳴らされている様子を見かけることがあります。大きな船から見れば、小さなボートの動きが分かりにくく、不安に感じる場面があるのでしょう。
プレジャーボート用ホーンの主な種類
最近のプレジャーボートには、さまざまなタイプのホーンが標準装備されています。代表的なものには、フライブリッジ艇やハードトップ艇でよく見かけるトランペット型ホーンがあります。
トランペット型ホーン
トランペット型ホーンは、ラッパのような形状をしたマリンホーンです。材質は、錆びにくいステンレス製のものが多く、輸入製品でもよく見られます。
トランペットの管の数には、シングルと呼ばれる1本タイプと、ダブルと呼ばれる2本タイプがあります。ダブルタイプは、2本のトランペット部分の長さが同じではなく、音程が違うようにセッティングされているものがあります。
これは、気温や湿度などの天候差によって音の聞こえ方が変わることを考え、高音と低音の両方が聞こえやすいように、和音に近い音を出すためと考えられます。
トランペットホーン設置時の注意点
トランペット型ホーンを設置する場合は、ラッパの中に雨水やスプラッシュが入らないように注意する必要があります。
あまり水平や上向きに設置すると、水がホーンの内部に溜まってしまい、すぐに故障してしまうことがあります。屋外に設置するマリンホーンでは、音の向きだけでなく、水の逃げ方も考えて取り付けることが大切です。
ハイデンホーン/埋込型ホーン
バウライダーなどの外国製ランナバウト艇によく使用されているホーンに、ハイデンホーンがあります。これは、ボートのガンネル付近やハルの中に埋め込んで設置するタイプのホーンです。
ハイデンホーンは、ボートのシルエットを変えずに取り付けられるため、デザインを重視するボートに向いています。外観をすっきり見せたい場合や、トランペットホーンのように外部へ大きく出したくない場合に便利です。
ボートに後付けする場合でも場所を取りにくく、設置場所を比較的自由に決められるため、小型ボートにも向いています。
ホーンスイッチの選び方
モーメンタリースイッチが使いやすい
ホーン用のロッカースイッチには、押したときだけ電源が入るタイプが適しています。このようなスイッチは、MOM/ON-OFFと呼ばれるモーメンタリースイッチです。
ホーンは鳴らし続けるものではなく、必要な瞬間だけ音を出す装備です。そのため、押している間だけ通電し、手を離すと切れるモーメンタリースイッチが使いやすいといえます。
防水性のあるスイッチを選ぶ
スイッチ類には、12V、125V、250Vなどに対応するものがあり、用途に応じて選ぶことができます。ただし、ボートで使用する場合は、電圧だけでなく防水性も重要です。
雨やスプラッシュを受けてもショートしにくいように、ウォータープルーフ加工されたスイッチを選ぶことが望ましいでしょう。
ロッカースイッチのパネルと組み合わせれば、さまざまなボートのインストルメントパネルに設置できます。後付けでホーンを増設する場合も、スイッチの位置、配線、防水性を確認して取り付けることが大切です。
ホーンは安全航行のための信号装備
プレジャーボートのホーンは、単に音を鳴らすためのアクセサリーではありません。狭い水路、視界の悪い場所、他船へ注意を促す場面などで、自船の存在や意図を知らせる重要な信号装備です。
ボートの大きさやデザイン、設置場所に合わせて、トランペットホーン、ハイデンホーン、防水スイッチを適切に選び、安全で使いやすいホーンシステムを整えておきましょう。
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