連載第40回/フェンダーについて考えてみよう
プレジャーモーターボート用のフェンダーには、大きく分けて3つのタイプがあります。フェンダーは、係留時や接岸時に船体を守るための重要なマリン用品であり、形状やサイズ、取付方法によって使いやすさが大きく変わります。
ボートの大きさ、ガンネルの高さ、係留場所、桟橋の形状、引き波の有無によって、適したフェンダーは異なります。ここでは、代表的なフェンダーの種類と、長く使うための注意点について考えてみましょう。
代表的なボートフェンダーの種類
アイレット付きフェンダー
代表的なものとして、アイレットと呼ばれるロープを留めるための穴が、トップとボトムの両方に付いているタイプがあります。ロープを通して縦向きにも横向きにも使いやすく、一般的なプレジャーボートで広く使用されています。
センターホールタイプのフェンダー
次に多いのが、フェンダーの中心に穴が空いているタイプです。テイラー社から出ているビッグBフェンダーは、このタイプの代表的なフェンダーといえるでしょう。
センターホールタイプは、ロープの通し方によって吊り下げやすく、係留状態に合わせて高さを調整しやすい点が特徴です。船体側面の保護に使いやすく、ボートサイズに応じてさまざまな大きさを選べます。
しずく型・ドロップ型フェンダー
最後のタイプは、しずく型やドロップ型と呼ばれるフェンダーです。球形に近い形状で、トップにアイレットがひとつ付いているものが多くあります。
このタイプは、30フィート以上のボートや、バウの近くなどカーブしているガンネル付近で使用されることが多いフェンダーです。丸みのある船体形状や、通常の円筒型フェンダーでは当たりにくい部分を保護したい場合に役立ちます。
輸入フェンダーとユニークな形状のフェンダー
これらの小型フェンダーは外国製が多く、輸入フェンダーが中心といっても過言ではありません。米国製のフェンダーには、サイズやカラー、形状のバリエーションが豊富なものがあります。
最近では、バスボートやスキーボートのように、ガンネル部分が低いタイプのボートに設置しやすい、ユニークな形状のフェンダーもあります。従来の円筒型フェンダーでは使いにくかった船型にも対応しやすくなっています。
ラフティングクッションフェンダーの活用
ビッグBフェンダーを2個つなげたような形状の、ラフティングクッションフェンダーというものもあります。使い方のアイデア次第では、ボートの大きさを問わず活用できる便利なフェンダーです。
さらに、使用しないときはクッションとしても使えるため、係留用品と船上クッションを兼ねたアイテムとして、静かな人気を集めています。ラフティング時や、隣のボートと接する場面でも使い方を工夫できます。
日本製ロープ巻きフェンダーの特徴
日本製では、情緒豊かなロープ巻きフェンダーなどもあります。ロープ巻きフェンダーは、巻き方次第で形を変えられるため、コーナー部分やバウフェンダーとして使いやすい特徴があります。
一般的な樹脂製フェンダーとは違った雰囲気があり、和船や作業艇だけでなく、クラシックな印象を大切にしたいボートにもよく合います。
フェンダーのカラーとフェンダーカバー
ボートの本場である米国では、フェンダーにもファッション性が求められるようになっています。以前は白一色が中心だったフェンダーのカラーも、ブルー、グリーン、グレー、ブラック、レッドなど、ボートのカラーに合わせて選べるようになってきました。
また、寒冷地ではフェンダーが硬くなり、亀裂が入ることもあります。そのため、フェンダーカバーと呼ばれるソックス状のカバーも見られるようになりました。
フェンダーカバーは、フェンダー本体を保護するだけでなく、船体への擦れ傷や汚れを軽減する目的でも使用されます。係留時間が長いボートや、船体の塗装面をきれいに保ちたい場合には有効です。
輸入フェンダーと空輸時の注意点
フェンダーは気温差に弱く、飛行機で空輸した場合などに小さな亀裂が入ることがあります。個人輸入を考えている方は、輸送中の温度変化や空気圧の変化に注意が必要です。
実際に、4個輸入してみたところ、1個は穴が空いていたという話もあります。フェンダーは柔らかい消耗品のように見えても、輸送環境によってダメージを受けることがあります。
フェンダーの空気圧管理
フェンダーに入れる空気の圧力は、季節によって調整することが大切です。冬は低め、夏はやや高めという考え方もありますが、最も注意したいのは、冬にパンパンに空気を入れすぎないことです。
冬に空気を入れすぎると、夏に近づくにつれて内部の空気が膨張し、破裂の原因となる場合があります。フェンダーは、少し押したときに適度にたわむ程度の状態を保つと扱いやすくなります。
プレジャーボートに必要なフェンダーの本数
では、プレジャーボートにはいくつのフェンダーが必要なのでしょうか。私は、引き波などでボートが揺れた場合でも、フェンダーが船体と桟橋の間から飛び出してしまわないように、最低50cm以上の長さのフェンダーを片舷に3本使用することをおすすめしています。
フェンダーは単なるクッションではなく、船体を傷から守るための重要な係留用品です。形状、サイズ、本数、取付位置を適切に選ぶことで、接岸時や係留中の船体保護効果を高めることができます。
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