連載第37回/マリーナにある陸電システムのアクセサリー
ある夏の日、東京湾でクルージングをした後、ボートをマリーナに係留してバーベキューをしようとした時のことです。桟橋にテーブルをセットし、バーベキュー用のホットプレートと照明の電源を取ろうとしていた仲間が、陸電ポストの前でコンセントを持ったまま立ち止まっていました。
どうしたのか尋ねてみると、コンセントの差込口が合わないとのことでした。家庭用電化製品のプラグは、一般的に100V/15Aのストレート2ブレード型です。しかし、マリーナの陸電ポストは、125V/30Aロッキング3ブレード型であることがあります。
マリーナの陸電ポストと家庭用プラグの違い
日本の家庭用電化製品で使われるプラグは、一般的な100V/15Aストレート2ブレードのオスプラグ型です。一方、マリーナの陸電ポスト、またはパワーポストと呼ばれる設備では、125V/30Aロッキング3ブレードのメス型コンセントが使われている場合があります。
これは、輸入艇を中心としたボート側のアウトレットプラグが、125V/30Aロッキング3ブレードのオス型であることに合わせた仕様です。つまり、ボートへ陸上電源を供給するための専用規格として、家庭用とは異なる形状になっているのです。
そのため、家庭用の電化製品を陸電ポストへ直接接続しようとしても、プラグの形状が合わず、そのままでは使用できません。
陸電ポストで家庭用電化製品を使うには
変換アダプターを使ってプラグ形状を合わせる
陸電ポストのコンセント部分を観察してみると、日常生活ではあまり見かけない形状をしています。このメスコンセントを、家庭用電化製品で使いやすい100V/15Aストレート2ブレードのメス型へ変換できれば、照明やホットプレートなどを接続しやすくなります。
そこで便利なのが、マリンコ社から発売されている「81A型アダプター」や「105A型アダプター(ショートケーブル付き)」のような変換アダプターです。
これらのアダプターは、形状の違うコンセントプラグを変換するためのアクセサリーです。マリーナに係留しているボートオーナーにとっては、陸電ポストから電源を取る際に役立つ必需品といえます。
125V表示でも日本のマリーナでは100Vの場合がある
ここで気になるのが、陸電ポスト側やアダプター側に「125V」と表示されている点です。家庭用電化製品を接続した場合、壊れてしまうのではないかと心配になるかもしれません。
日本の一般的なマリーナでは、家庭用と同じ100V電源を供給しているケースがあります。その場合、家庭用100V機器を適切なアダプター経由で接続しても、電圧が原因で直ちに故障するとは限りません。
ただし、実際の電圧、電流容量、マリーナ側の設備仕様は施設によって異なります。使用前には、必ずマリーナの管理者や設備表示で確認してください。
輸入艇を100V陸電に接続する場合の注意点
日本で製造されたボートは別として、通常の輸入艇は125V仕様の電装品を搭載した状態で輸入されている場合があります。そのため、コンセント規格が合っていても、日本の100V陸電ポストにボート側のパワーコードを接続した場合、電装品が本来の性能を発揮しないことがあります。
たとえば、冷蔵庫が十分に冷えない、バッテリーチャージャーがうまく作動しない、付属の電子レンジが作動しない、といった現象が考えられます。
マリーナで「冷蔵庫が思っていた以上に冷えない」と感じる場合、単なる機器の不調ではなく、供給電圧や仕様差が関係している可能性もあります。
大型艇用の陸電ポストには別規格もある
大きなボートを係留するエリアでは、陸電ポストが125V/50Aロッキング3ブレード仕様や、125/250Vロッキング3ブレード仕様になっている場合もあります。
同じ「陸電」といっても、プラグ形状、電流容量、電圧仕様が異なるため、アダプターを選ぶ際には十分な確認が必要です。無理な変換や容量不足の接続は、発熱、機器故障、ブレーカー作動、火災リスクにつながるおそれがあります。
陸電アクセサリー選びで確認したいポイント
陸電アクセサリーを選ぶときは、陸電ポスト側の形状、ボート側のパワーコード形状、使用する電化製品の電圧と消費電力、マリーナ側の供給電圧と電流容量を確認することが重要です。
特に、30Aや50Aのロッキングプラグは、家庭用コンセントとは形状も用途も異なります。変換アダプターを使う場合でも、接続できるから安全というわけではありません。電気容量に余裕があるか、屋外で使用できる仕様か、防水性や防滴性があるかも確認してください。
陸電システムを正しく理解し、適切なアクセサリーを選ぶことで、係留中のボートライフはより快適になります。照明、充電器、家電製品を安全に使うためにも、プラグ規格と電源仕様を確認してから使用しましょう。
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