連載第34回/インストルメントパネル その4
今回は、エンジン関係以外の環境をモニターできる便利なインストルメントを紹介します。水深、水温、燃料消費量を把握できる計器は、スモールボートからプレジャーボートまで、安全航行や燃費管理に役立つ装備です。
タコメーターや水温計のようなエンジン用メーターだけでなく、航行する海域の情報や燃料の消費状況を確認できれば、浅瀬の回避、釣り場選び、航行可能時間の判断がしやすくなります。
デジタル測深計/デプスサウンダー
水深をデジタル表示するインストルメント
デジタル測深計は、米国ではデプスサウンダー、またはデプスファインダーと呼ばれているアイテムです。メーター本体とトランスデューサーを専用ケーブルで接続すれば、比較的簡単に機能させることができます。
メーターの大きさは直径6センチ程度のものが多く、基本的には魚群探知機を装備していない、または魚群探知機を設置しにくいスモールボート向けのインストルメントです。
トランスデューサーと呼ばれるセンサーを、ボートのトランサム部分に取り付ければ準備は完了です。あとは自動的に海底へ信号を送り、海底から反射される信号を測定して、メーターに水深をデジタル表示します。
分かりやすくいえば、魚群探知機の画面内に表示される水深表示だけを、独立した丸型メーターにしたものと考えるとよいでしょう。
浅瀬や運河で役立つ水深アラーム
デジタル測深計の中には、あらかじめ一定の深さに達するとブザーが鳴るように設定できるものがあります。浅瀬や運河、岩場の近くを安全に航行する場合に威力を発揮します。
米国製の輸入スモールボートでは、デジタル測深計が標準装備されている場合や、オプションで追加できる場合があります。新艇を購入する際には、装備の有無を確認しておきたいアイテムです。
デジタル水温計
航行している海域の水温を確認する計器
デジタル水温計は、エンジン冷却水の温度を測る水温計ではありません。航行している海域の水温を計測するためのインストルメントです。
海水温を確認することで、潮目などを発見する手がかりになります。釣りをする場合は、水温変化が魚のいる場所を探す参考になるため、シンプルながら実用性の高い計器です。
最近の魚群探知機付きGPSカラープロッターでは、昔のような緑色や黄色一色の航跡表示ではなく、水温別にカラーで表示できるものもあります。色が変化した場所を潮目として把握しやすくなります。
この水温表示機能をコンパクトにし、水温だけをデジタル表示したものがデジタル水温計です。これも、魚群探知機を装備していない、または装備できないスモールボート向けのインストルメントといえます。
燃料消費量計測計/フューエルフローメーター
ボートの燃費を把握するための計器
ボートは、自動車と違って一般的な走行距離計が付いていないことが多いため、自分のボートの燃費を正確に計測することは簡単ではありません。
そこで注目されるのが、フューエルフローメーターと呼ばれる燃料消費量計測計です。燃料ホース内を流れる燃料の流速を計測し、時間あたりの燃料消費量を表示します。
たとえば、3000回転時の消費量が1秒あたり9ミリリットルであれば、1時間で約32リットルの燃料消費になります。4000回転では1時間あたり45リットルの燃料消費というように、回転数ごとの燃料使用量を確認できます。
燃料タンク容量が300リットルであれば、4000回転で約6.6時間航行可能であることが瞬時に分かります。航行計画を立てる際にも、燃料残量と消費量を把握できることは大きなメリットです。
燃料消費を金額で意識できる
燃料消費量計測計は、燃料の使用量を金額に換算して考える場合にも役立ちます。たとえば、1リッター120円の燃料を使用しているボートで、アイドリング時の燃費が6リッター/時間であれば、1分あたり約12円を消費している計算になります。
このように燃料の消費量を時間単位で確認できる点は、タクシーのメーターに似ています。燃料消費量計測計を装備していれば、無駄な燃料を節約しやすくなるのはいうまでもありません。
環境系インストルメントを活用するメリット
デジタル測深計、デジタル水温計、燃料消費量計測計は、エンジンの状態を直接示す計器ではありません。しかし、水深、水温、燃料消費量という航行環境に関わる情報を把握できるため、安全性と快適性を高めるうえで有効です。
水深を確認できれば浅瀬への接近に気づきやすくなり、水温を確認できれば潮目や釣り場選びの参考になります。燃料消費量を確認できれば、航行可能時間や燃料費を意識した運転がしやすくなります。
スモールボートやプレジャーボートでは、必要な情報を分かりやすく表示するインストルメントを選ぶことが、安全で無駄の少ない航行につながります。
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