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連載第28回/アンカーの保管方法を考える

波風のある日に、横浜港が見える場所から双眼鏡で沖の方を観察していると、なにやら上下に揺らしながら、颯爽と洋上を進んでいるボートを見かけることがあります。

よく見ると、バウにあるアンカーがリズミカルに宙で踊っています。ウインチで固定しているため安全なように見えますが、アンカーが上下に振られたときの衝撃は、自重の何倍にも達することを忘れてはいけません。

その状態を放置していると、いつかロープが切れたり、テンションが緩んだりして、アンカーが船体に当たり、傷を与えてしまう可能性があります。こうしたトラブルを防ぐために、今回はアンカーの保管方法と固定方法について考えてみましょう。

アンカーは重量物として考える

ボートアンカー固定用チェーンストッパー

アンカーは、停泊時にボートが流されないようにするための重要な艤装品です。そのため、一定以上の重量を持つものが多く、取り扱いには注意が必要です。

手で運んでいるときでさえ、船体に擦れると傷になることがあります。まして走行中にアンカーが揺れたり、跳ねたりすれば、船体へのダメージはさらに大きくなります。

キャビン内にアンカーを収納している場合も注意が必要です。濡れたアンカーや泥の付いたアンカーを室内へ持ち込むと、床や内装を汚すだけでなく、移動中に船内で暴れる危険もあります。可能であれば、アンカーは屋外の安全な位置に固定しておく方が、清潔で実用的です。

ダンフォース型アンカーの保管方法

多くのボートオーナーが愛用している、分解のできないスチール製亜鉛メッキのダンフォース型アンカーは、形状が大きく、収納場所に困ることがあります。

このタイプのアンカーは、バウデッキに寝かせてアンカー本体を固定するアンカーチョックを使用する方法が有効です。アンカーチョックを設置すれば、走行中にアンカーが左右に動きにくくなり、船体の傷や金属音を抑えることができます。

また、スターン側のハンドレイルにアンカーを立てて固定するレイルマウントアンカーブラケットを使う方法もあります。デッキスペースが限られているボートでは、アンカーを立てて保管できるため、スペースを有効に使いやすくなります。

バウのアンカーマウントに固定する場合の注意点

25フィート以上のボートでは、バウのアンカーマウントにアンカーを固定している光景をよく見かけます。見た目もすっきりしていて、アンカーの投入もしやすい便利な方法です。

しかし、ウインチの力だけでアンカーを固定している場合、走行中の上下動によってアンカーが跳ねることがあります。波を越えるたびにアンカーへ衝撃が加わるため、固定ロープやウインチ、船体側の金具に負担がかかります。

このような場合は、ウインチだけに頼らず、チェーンストッパーを併用することをおすすめします。チェーンストッパーを使うことで、チェーンの目を物理的に固定し、アンカーの揺れや脱落を防ぎやすくなります。

チェーンストッパーとチェーンテンショナーの使い方

ボート用デッキアンカーチョック

チェーンストッパーでアンカーの揺れを抑える

チェーンストッパーは、アンカーを所定の位置まで巻き上げたあと、チェーンのテンションを張った状態でチェーンの目を固定するためのパーツです。これにより、ウインチだけでは抑えきれないアンカーの揺れや跳ね上がりを防止できます。

アンカーがバウローラーやアンカーマウントに収まっていても、走行時の振動や波の衝撃で少しずつ動くことがあります。チェーンストッパーを追加することで、固定力が増し、船体への傷や金属音の発生を抑えやすくなります。

ウインチがない場合はチェーンテンショナーを使う

ウインチを装備していないボートでは、チェーンテンショナーを使うことでチェーンをしっかり固定できます。チェーンに適度なテンションをかけることで、アンカーが不用意に動くことを防ぎ、走行中の安全性を高めることができます。

アンカー固定の基本は、単に置いておくことではなく、船の揺れや走行時の衝撃を想定して固定することです。特に重量のあるスチールアンカーは、確実な固定が必要です。

スモールボートのアンカー収納対策

20フィート前後のスモールボートでは、アンカーローラーやアンカーマウントが最初から設置されていないことも少なくありません。また、専用のアンカースペースがないため、収納場所に悩むケースも多くあります。

このようなスモールボートには、分解式のアルミアンカーも選択肢になります。スチールアンカーに比べて非常に軽く、持ち運びや収納がしやすいことが特徴です。

分解式アルミアンカーは、使用後に約3分の1程度の大きさに収納できるため、限られた船内スペースでも扱いやすくなります。軽量でありながらアンカーとしての効きも期待できるため、最近流行の小型ボートにも適したアンカーといえます。

アンカー保管で大切な考え方

船は、停泊中でも走行中でも必ず揺れるものです。アンカーのように重量のある艤装品は、ただ積んでおくだけではなく、船体のバランス、固定位置、走行中の衝撃、使用後の収納性まで考えて設置する必要があります。

アンカーの保管方法を見直すことで、船体の傷、騒音、アンカーの脱落、デッキ上の危険を防ぎやすくなります。アンカーチョック、レイルマウントアンカーブラケット、チェーンストッパー、チェーンテンショナーなどを上手に活用し、自分のボートに合った安全な固定方法を選びましょう。

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